戦勇。感想まとめ(2019)
WEB版・アニメ・SQ・MQ(漫画)・F5などいろんな媒体の感想。
章にまたがって感情グチャグチャなので自分のためにメモもかねて…

↓OKな方はスクロール























自分と引き換えにあなたの命を助けるVS世界を滅ぼす覚悟でおまえを救うってことで勇者さんと戦士はお互い感情クソデカすぎるわって気持ちが爆発した戦勇の感想です。
 なるべく順を追って感想をまとめたいけど結構章ごとに断片的にエピソードが散らばってるんだよね。
 1章には収録されてない出会いの物語「港町の英雄」、これがパラレルじゃなくて正規ルート(?)扱いなら、荒野で出会って一緒にピンチを切り抜けた吊り橋効果がさっそく発生したものの(してない)、話してみるとアルバは平和ボケして勇者をはき違えたクソガキという印象をうけてキレそうになってたロスが、その後アルバの中にある勇者の素質(保身を捨てて人を助ける心とか困難に立ち向かう勇気)とか自分に思い切り食ってかかる威勢のよさとツッコミの才能に気づいてちょっと気にいって、最終的に身分を偽って冒険にくっついていった……のがスタート地点なんだね。
 +読む前はなんか抽選とか面接とかで勇者と戦士の組み合わせ決まったのかなと思ってたけど、+の勇者任命エピソードと港町の英雄あわせるとロスが自分の意志でアルバを選んでるんだな……勘違いで生まれた勇者(に憧れてるただの男の子)と偽者の戦士(元伝説の勇者)、マジで運命の出会いだった。ヤバ。
 作者のイラストとかおまけのVSクレアシオン編見る限りだと全盛期クレアシオンのときのロスって、親友の顔で中身が父親(+親友の魂)の魔王って激ヤバ存在をどうにかしないといけないのにどうにもできないことに疲れ切ってほぼ感情失ってそうだったけど、封印から復活したての時間軸である港町の英雄のときの言動はほぼすでにイキイキとしたロスだったよな。そんなに急に気持ち切り替わる?って不思議な気がしたけど、勇者さんにガンガンタメ口をきく貴重なロスが見られたからこまけぇことはいいんだよ。
 子ども時代のロスは親友や父親と過ごす平凡な日常がずっと続いてほしいだけの、素直じゃなくて口が悪くても変化を好まない少年だったのに、父親が親友と自分を殺したせいで後始末のために勇者にならざるを得なかったってのに、アルバはロスが一番欲しかった平穏な日常をわざわざ蹴って自分から勇者になろうとしてるから、はじめは見てて相当腹が立ったんだろうな……。
 世界の平和を守って「やる」っていう言いぐさにロスが感情むき出しにしてたのはちょっと意外だった。それはクレアシオンはあくまで父親と決着つけて親友取り返したいだけで、勇者になったのはその過程に過ぎず世界平和を守ろうとしていたわけじゃないと思ってたからなんだけど、そもそもロスは優しい子だと父親に言われてたし自分もいっぱいいっぱいなのに見捨てられないものがたくさんあったのかな……。でも真に世界平和のことを考えるなら魔王ぶっ殺すのが一番早くて、でもそうすると自分に体をくれてまで助けてくれた親友が今度こそ本当に死ぬし、あんなにひどいことした父親のことも憎みきれないから本当は戦いたくないし、世界平和を本当に一番に優先することはできなかったんだよな~つら……。勇者って呼ばれるのも嫌だったかもな、子どもだったロスが何年もかけて力つけて、ようやく魔王にも勝てるレベルになったのに殺す勇気だけはなかったんだし……。だから結局は全部に疲れて自分ごと魔王封印っていう時間稼ぎというか問題解決の先延ばしをしたんだもんなあ。。2章ではっきり「人類が絶滅でもしてくれてたら俺はもうあいつと戦わなくていいのかな」って呟いてたもんな……。
 ていうかそもそもクレアシオンって名前もなんやねん、親友の名前と自分の名前くっつけて名乗るな~!泣いてしまうだろ~!ロスっていう偽名も親友がかつてごっこ遊びで名乗ってた戦士の名前っていうのがまた……おいおい……。そのごっこ遊びをバカにしてたのはほかならぬロスだったのに……。クレアの前で捨てたはずの友達の証の焼き物も大事に装備してるし。
 初期アルバぐらいの年の頃ってロスはすでにクレアシオンやってて戦いの日々だったんだろうから、1000年後の子どもが勇者かっこいいよな~ってヘラヘラ笑ってられるのはムカつく半面そういう平和な世の中になってたこと自体はうれしかったんだろうな。夜9時のことを深夜といって、ぬいぐるみ抱いて寝てたような子が勇者になろうとしてんだよ。平和か。
 4章11話での冒険スタート回想で「冒険楽しいよ! 世界は広いしワクワクする」って無邪気な顔で笑ってるアルバを笑顔ともなんともいえないむずがゆい顔して見てたロスなあ……(涙)。「救われました」って言ってるし。2章最後で、クレアに「(クレアシオンのとき)世界を旅したのどうだった?」ってきかれて「基本最悪だったぞ」って返したロスのことを思うと。。ウッウッ。旅なんて基本最悪だったのに、アルバと出会って変わったんだよね。。この旅がずっと続けばいいのにって思うぐらい。全章読んだあとだとこのレベル1の無垢なアルバがとても尊く感じる。。
 思い出エピソードっていろんなところでちょいちょい挟まるけど、時系列的にはドラマCD港町の英雄→+の森の仲間編4話→4章11話→+の夜更かし編→+のアルバ編→+のモンスター退治編→1章へ……って感じなのかな。スライムにも負けるクソ雑魚ナメクジ勇者で戦士にもすぐ助けを求めるくせに、あきらめるわけではなくやたら果敢な1章アルバマジ可愛い。し、ロスもそういうとこ気に入ってんだよね。ロスもアルバのことは港町の英雄のくだりで、御しやすそう+簡単に制圧できるからいざとなったら簡単に切り捨てられる+からかいがいがある+悪い奴ではない+(もしかしたら立派な勇者になるかもしれない)ぐらいの感情で相棒に選んでると思うんだけど、どんどんちゃんとアルバのこと気に入っていくのがわかるから、とてもニヤニヤする。
 +のアルバ編で、モンスターにビビるけど帰るとは言わないし戦士に「倒して」じゃなくて「手伝って」と言う勇者さんに対して

「いや~怖い怖いとビビっているのが面白くて」
「でも何日間も負け続けたり 怖い怖いとビビったりしてるくせに」
「挑むのをやめないのは偉いと思いますよ」

 って頭ポンするとこマジか?と思った。血が出る(私の)。マジか?この戦士。子ども扱い……大事大事じゃん。このときは気軽にポンできる身長差だったんだよね。この話は時系列的には序盤のくだりだけど、+の話だから実際に私たちが読む順番的には1~4章終わった後ってのが爆弾すぎる。オメ~~~だいっぶ序盤からすでに勇者さんに首ったけ(言い方)じゃね~~~かよ……。
 そうやってどんどん仲良くなって、旅がかけがえのない時間になるほど別れがつらくなるけど、終わりにできなかったんだよね……あ~~……。ロスは魔王を殺せないんだから魔王討伐のためのアルバとの冒険は結局ただの問題の先送りだし、ロスの封印がとけたってことは魔王の封印もいずれとけるだろうってことは最初からわかってたもんな。
 それでも、奇跡のように与えられた平和な世界でのひとときの冒険が楽しくて仕方なかったんだよなきっとな~~。そもそもアルバ打たれ強すぎるからたとえいざ嫌ってもらおうとしてひどいことしてもたぶん「何すんだよ!」ぐらいの反応しかないしすぐケロッとするからそれすらもさせてくれない。1章のアルバは一人にしたら弱すぎてたぶんすぐ死んじゃうから、アルバから突き放してくれることがあり得ない以上、アルバのことが死なせたくない存在になっちゃった時点でにっちもさっちもいかずロスの負けっていうどうしようもなさよ。
 まあSQのアルバは喧嘩した勢いでロスとの旅をやめようとしてたけどロスは裸足で追っかけてきてるからさ……。いつもは「クーゲルストライク!」とか技名叫ぶくせに(SQ限定)、アルバに襲いかかってたモンスターは無言でぶっ飛ばして瞬殺した焦り具合は笑った。どの世界でも勇者さんに必死な男。
 もちろんその時間を大事に思ってたのはロスだけじゃなく、アルバの方も2章で「自分には友達がいなかったからロスとルキとの旅は本当に楽しかった」って言える男だし(相棒に毒盛られたり腰刺されたりしてるんやぞ、それを楽しかったといえる度量の広さ)、ルキだって勇者パーティに出会う前は魔族とはいえ実年齢10歳なのに両親が突然いなくなって心細い中一人旅しててキツかったんだろうから、3人での旅はそれぞれにとって救いだったんだよね……はあ……だからこそ短い付き合いなのに2章でロスを取り返すための旅にルキは付き合ってくれたんだよな。パラレルとはいえSQ世界のルキははっきり「3人ずっと一緒にいたい」っていう意思表示をしていたわけで、ロスとルキはそれぞれのっぴきならない課題を抱えながらもずっと旅が続けばいいなって思わずにはいられなかったはずで……うう。尊い~。勇者と戦士と三代目魔王のパーティ、尊い。アルバいじってキャッキャ楽しんでる戦士と三代目かわいすぎるな。

そんで1章最後のVSディツェンバーに至るわけですけど……。

 なんやかんやでロスとアルバが離散させられたあと、ロスが正体をバラされて珍しく真剣に焦ってたのに、アルバがいつもの感じで到着した途端にこっそり口元ほころばせていつもの調子を取り戻すの最高に可愛かった。嬉しかったんだね……。のちのことを思えばデレの一つに過ぎないけど破壊力ゥ…ですかね…。
 ロスが生き生きしながら言った「新しい時代の勇者の力」の新しい勇者ってやっぱりアルバのことなのかな。アルバが到着した途端敵にまで「生きた目しやがって」と言われる男戦士。
 そんで……アルバが戻ってきてあんなにノリノリだったのに、目の前でアルバが真っ二つにされて殺されたときのロスの反応……何回見てもグエエってなる。心が。WEB・アニメ・漫画ともに呆然とした顔してどれも最高なんだけどここは漫画版の表情が一番キツい。1ページブチ抜きドアップの絶望顔。2章読んだ後に見直すと余計にキツいシーンだよなんてったってかつての親友の死に方と同じっていう……。ロスの大事な人は目の前で切り裂かれて死ぬ法則爆誕。テストに出る。
 そんでロスが我に返ってからの決断の早さよ。さっきディツェンバーに脅された時には使わなかった力全開でアルバを死者蘇生。ザオリク。レイズ。これほんと……ほんと……。勇者の力を使う=魔王復活=また自分ごと封印しないといけなくなる=自由の終わりなわけで、だからこそこれまでも使わなかったし葛藤してたのに、アルバを生き返らせるためには迷わず使ったんだよ……。あんなに楽しく謳歌してた自由を投げうってまで、出会って間もない雑魚勇者を助けたんだよ……。
 自分の限りある自由よりも勇者さんの未来を優先した、というか、こんなもん勇者さんのいない自由時間に意味はないってことと同義でしょ……。えええ………ナニコレ………?
 「そうだな、最初から迷う権利なんてなかったんだ。オレは勇者クレアシオンなんだから」のシーンナニコレ……?迷ってたんだ……本当なら自分が復活した時点ですぐにもっかい魔王を封印しにいくべきだったのに、つかの間の自由が楽しくて手放しがたくて、迷ってたんだ……。「もう終わりだよ」という台詞はディツェンバーの計画のことでもあるし、自分に対しても言ってるだろこれ……何……?ど、どうすればいいの?私は何してればいい?夜空をかける流れ星を今見つけられたら何を祈るだろう?
 蘇生されたアルバが事の次第をようやく理解して、憧れの勇者本人だったロスに対して敬語で話しかけるシーンのロスの顔……ヒイ……やだよね、アルバに距離とられるの……。いつも元気に噛みついてくれてた子がおずおずと話しかけてくるのキッツぅ。
 アルバもロスが去ろうとしてることがわかったから、無意識に引き留めようとして、まだ12人の魔族の封印もしてないし、あなたが勇者ならボクは本当は勇者の血もついでいないんでしょう?、だから(まだ一緒にいてくれないと)……って言い募るけど

「誰かの何かじゃなきゃ何にもなれないんですか?」
「自分で勝手に勇者になってくださいよ。大丈夫、できますって」
「がんばれよ、アルバ」
「楽しかったぜ」

 ……ここアニメでメチャクチャ反芻した。何度聞いても最高のボイスだった……。いやそうじゃなくて……もう何……初見のとき頭が破裂してもう何もわからなくなってしまった。そっけなく聞こえるけど気休めじゃなくて本気でロスはアルバが勇者になれるって信じてくれてるんだ……。スライムにも負けていたアルバに。アルバが自分が勇者になれることを信じられなくても、ロスだけはアルバが勇者になれることを信じてくれている。ハァ……?
 かつて一番身近な家族に最悪の形で手ひどく裏切られてずっと傷つけられてきて、悪意のど真ん中にさらされて半生過ごしてきた男が、当然のようにアルバの中の善良さを信じていられるのって本当にすごいことじゃないですか?ロスの中には人を信じる心がちゃんと残っていて、アルバはロスに人を信じさせることができたんだよ。ヒエ~~~。ゲボ~~~。
 敬語もやめて、王宮戦士としてじゃなくてただの”ロス”として、今まで楽しかったって、こんなもん遺言……いやロスの覚悟を考えると実質遺言なんだけど……言い残される方の身にもなれ~~~~。そんでロスもこの「自分で勝手に勇者になってくださいよ」の発言を後悔する日が来るだろうよこれ。いや3章と4章の頃に来たよね(断言)。これなぁ呪いなんだよな~これなぁ……。アルバはこのあとこのたった一言のお墨付きを信じて、本当にロスのために勝手に勇者になって、なんか飛びぬけすぎておそらくロスが望んでなかった領域にまでいってしまうからなあ。それはあとでしつこく言及するからひとまずおいといて。
 言い残したロスが目の前でそのまま消えてしまって、アルバはロスの行いのすべてを理解、激怒して「世界は平和になんかなってない!ロスが笑ってない!」と叫ぶわけです。ロスが決死の思いで魔王封印しにいったそばから、ロスを復活させるために魔王も復活させると断言。
 ロスが笑ってない世界は平和じゃないって思考回路はヤバいでしょ……仮にも勇者が世界平和より優先するものがあるって……。誰かの犠牲の上になりたつ平和は平和じゃないっていうロイド・アーヴィング的な理屈かなとも思うけどここのアルバはロスしか見えてないからな……。2章の公式アオリが「たとえ世界を犠牲にしても、友を救うため、魔王を復活させる旅へ――。」ですからね。世界犠牲にしてでもって言っちゃってるからね。出てるから、本音が。
 アルバが遺品握りしめて涙ながらに激高するこのシーン、漫画版だと追加の回想があって、食事を楽しむロスに「観光じゃないんだよ」って釘をさすアルバと「わかってますよ。いつまでも こうしてはいられないんでしょうね」って穏やかな顔をするロスをみて不思議そうにするシーンが挟まるんだよ……オ~~~イもう「いつまでもこうしてはいられないんでしょうね=いつまでもこうしていられたらなぁ」でしょ?アタイ算数苦手だけどこの等式はわかるよ。さんざん習ったやつだよ。ほんまになんやねんこの男。
 アルバも、あのときのロスは1000年前には存在してなかった甘味にはしゃいでいたこと、友達とおいしいパフェを食べるなんてありふれた楽しみも1000年前には到底できなかったこと、それを自分と全力で楽しんでくれていたことをやっと理解して、思いがけず冷たいことを言ってしまっていたことをきっと後悔してんだよな~。
 謝りたくても、自分もずっと楽しかったってお礼を言いたくてもロスはもういなくなっちゃったから、どんなに時間がかかってもロスを救いに行く!って王様殴っておっきい声で宣言して、そのまっすぐさこそロスも惹かれたものだよあ~~勇者さんマジ勇者~~~……伝説の勇者クレアシオンと推しがかぶる始末~……。
 私は戦勇。に最初にふれた媒体がアニメだったわけだけど、アニメここで終わるんですよ、ふつうに発狂するでしょ……どうなんねんコレ!!バッドエンドかワレ!!!!!!!ってキレながらニコニコポイントに課金し倒して原作読みました。3期つくってくれ頼む~。中村ボイスで聞きたい台詞が山のようにある。

 そして2章に突入。2章はあのお別れから1年経ってて、子どもみたいだった勇者さんは地道にレベリングして、成長期だったのか背もぐんぐん伸びて、なんとクレアシオンとしての力を使ってない頃のロスとほぼ同じステータスまで成長している(2章アルバのステ値がわかるの漫画最終巻のおまけだから、そこに至る過程を思うと感慨深い)。ロスにたどりつく方法を探す過程で世界中をめぐってついでにモンスター退治や人助けをしているから、本当に勇者として名を馳せている。よわっちかった勇者さんが……!
 勇者としての通称がレッドフォックスって直訳が赤いきつねだからまあギャグとはいえ、ロスがいつもつけていた赤いスカーフを今はアルバが装備している(赤いしっぽに見える)のが名前の由来ってのがもういい加減にしろよって感じなんだけど……。遺品に願掛けすな~。
 これ漫画版には1.5章っていう幕間のエピソードが収録されてて、ロスを助ける!って息まいたくせに相変わらず弱いから一人では何にも勝てなくて、このままでは口だけでロスどころか何も救えない勇者であることを思い知らされるアルバの話が読めるんですけど。
 ロスはモンスターにボコられている自分に全然加勢してくれなかったけど本当に死にそうなときは助けてくれていたこと(1.1話のニセパンダ戦、1章のツヴァイ・ヤヌア戦)、思えばギリギリアルバが死ななそうなモンスターばかりけしかけていたこと、おかげでダメージに耐性がついたこと、「なんでもオレが倒しちゃったら意味ないんですよ」の言葉の意味に思い当たって、いじめかと思っていた行為はアルバ自身の成長のためだったのか……と愕然とするアルバ。いや、生粋のサドだからふつうに趣味だったんだと思うけど……と思うけど言わずにいてあげるフォイフォイ(地味に1.5章のMVP)。
 これさあいつかアルバが一人になるときのために鍛えてあげてたってことでしょ……ロスがいなくなってもちゃんと無事に旅が続けられるようにさ……面倒なレベリングなんてさせなくてもその気になったらほんとはロスが一人で全部蹴散らして旅続けられるんだから……。
 しかも護身のためだけじゃなくその先まで見据えて「あなたは勇者なんですよ。頼るのではなく頼られる存在にならなくては」って先輩として激励までしとるコイツ。ボコられるアルバ見て楽しんでたのも本当なんだろうけど(台無し)。
 このころのアルバはロスにとってどこまでも庇護の対象だったんだよなあ。港町の英雄のときにおまえ自分が勇者さんになんつってたか覚えてんの?「あとはお兄さんに任せときな」だよ?ヤバくない?頭ポンといい、んな露骨に子ども扱いしてた相手に勇者としての希望を見出して敬語まで使ってまじめに育ててんのヤバくない?ギャグマンガ読んでたつもりだったけどとんだ源氏物語か?自分を助けてもらうためではなかったけれど最終的にハッピーエンドに連れて行ってくれたんだから育成大成功だよ。SSR勇者引き当ててるよ。デスティニードローだよ。
 1.5章のアルバは、港町の英雄のときロスに「それじゃただの駄々っ子だな」って言われたことを思い出したのかもしれないな……。通したい願いがあって、逃げない勇気があっても、それをかなえるだけの力がなければ意味がない。ロスがアルバのレベリングのために導いてくれた道筋を一人でたどり直して、こつこつレベル上げて、かつてボコられたニセパンダの上位互換を瞬殺できるようになって……(涙)なにこの成長記録のアルバムを見てるような気持ちは……。
 1年経ったとはいえたった1年でそのステータスに至れるまで経験値を積んだ勇者さんの1年間はどれほど壮絶だったことか。最初から旅にロスという連れがいたアルバにとっては一人旅すら初めてだったのに。夜更かし編とか読む限りアルバはまだまだ人に甘えたい盛りに見えたのに。野宿とかご飯づくりとか一人でできたの?勇者証あるとはいえルキと子どもだけの旅じゃ街でもナメられたでしょ?いろんなことがあったんだろうね……。
 自分が仕えていた王様がある意味黒幕だったこととか、そういう裏切りも経験して、ただのガキンチョのままじゃいられなくなってしまったもんね。「ボクが魔王を復活させます」と王に宣言するアルバの決意の顔……。王様の思惑のせいで自分たちの人生弄ばれた感じになったことには怒ってるけど、それがないと3人は出会えなかったこともたしかだということをわかっているから感謝もしているアルバ……。ああっその年で清濁併せ呑むことを覚えないでくれ……。だから冒険始まったばっかのときのアルバのあの笑顔がつらいんだよ。。
 2章で当然のようにルキが一緒にいてくれてるの本当に良い。前も言ったけど戦士と勇者っていう結びつきがあったアルバよりは関係性希薄だから(魔王の系譜だけ見れば叔父と姪みたいなものということはとりあえずおいといて)本来ロスのためにそこまで協力する義理はないはずなのに、アルバを釈放しようと奔走したり、牢から出たアルバが自分を迎えに来てくれることを疑ってなかったり(1.5章でサラッと言ってたけど何気にすごい信頼関係)、そろそろロスさんとより私との旅の時間の方が長くなったね、勝ったぜって得意げにしてみせたり、あ~~そうなんだよな、ロスを救うのはロスのためってだけじゃなくて、ルキ自身のためでもあるんだよな。ルキだってアルバのこともロスのことも好きなんだよ。だってルキは「またみんなで笑おうね!」って言ってくれるんだもん。救い以外の何者でもないな、天使か?三代目魔王だった。
 でまあ色々あって、封印失敗したロスがまた現代に出てくる。次元の狭間は時間の流れが違ういわゆる精神と時の部屋みたいなもんなので、アルバにとっては1年後、ロスの体感的には数時間ぶりの世界に帰還。
 前回の封印の時は1000年経ったので、今回は何年後に出てきたんだ……と思いながらうろついてるロスのシーン、例によって漫画版は追加のモノローグがあるんですけど、、

(もしそんなにたってないなら……。……。いや 何を考えているんだオレ。反省したばかりだろ…… オレにそんな権利ないんだよ……)

 ああああああああもう!!!!(バン)(壁を横殴りした音)
 そんな自嘲気味の顔で~~~!!!!何を考えてたか言ってみろ!!いやもうほぼ言ってるけど、何も隠せてないけど、その三点リーダのところ当ててやろうか?!そんなに年数たってないなら勇者さんたちにまた会えるかなって、そう思ったんだろうが!もうぅ~~~!!肝心の勇者さんサイドが血眼で探してるとも知らないでおまえは!!会いたいのはお互い様に決まってるのになぜわからない~~!!いやわかっててもか……わかってても……いやしかし勝手に勇者になれなんて呪っておいておまえわ~~!!(エルフに詰め寄ってるときのディツェンバーのテンション)簡単に諦めやがってこの!!それができなかったからこんなことになったくせに!!
 んで結構あっさり遭遇ばったり再会するんですけど、そのときのロスも混乱しまくるアルバたちに対して「お~じゃああんま年数たってなかったんだな」って極めてフラットなコメントしかしない、けど、いやもう読者の方はおまえの心の声きいてしまってるんですけど。。そんなんですむわけないってわかってるんですけど。。。
 ロスは結局会えてよかったとも嬉しいとも言わないまま1年前と同じようなテンションで合流して、会えたそばからアルバに対して殴る蹴るなじるボケるでロス節全開なんだけど、照れ隠し……っていうか喜びだよなぁこれ……。打てば響くようなツッコミが返ってくること、いわれなき暴力振るっても隣にいてくれること、名前を呼んでもらうこと、アルバの命のために全部諦めて手放したはずのものが思いがけずまた手に入ったんだもんな~~……。「今どういう状況なんですか?」って冷静な発言してるけど、いやおまえこそ今どういう心境なんだよ。ちゃんとモノローグだせや。さもないとハチャメチャに妄想するぞこっちは。
 頭ひとつぶんぐらい背が低かったアルバに身長追いつかれてビックリしてるロス可愛い。そうだよオメーのために勇者さんは成長したんだよ……。褒めてあげてよ。
 そんでやっと落ち着いてきたアルバにまた「クレアシオンさん」って呼ばれて表情凪いだ顔するロス……勇者さん違うんだよ~~アルバの前では彼は勇者クレアシオンじゃなくて戦士ロスなんだよ……。勇者なのはボクじゃなくてあなたなのに……とたどたどしく敬語使って接しようとするアルバ……。ロスの立場からしたら心臓ちぎれるやんこんなん。ちゃうんやって!クレアシオンである自分をつかの間忘れさせてくれたおまえのことが好きなんやからおまえがそんな態度とったらザクザクに傷つくって!とハラハラしながら読んでたら、ロスがおもむろに「成長したのは背だけですか?」と……

「まだ勇者になってねえのかよ アルバ」

「いや ボクは勇者だぜ ロス」

「久しぶりです勇者さん」

「会いたかったよ ロス」

 ウベボ~~~っもう私から言うことなんにもねえ~~~(吐血)!!いや言いまくるけど……言いたいことありまくりますけどぉ……?!発破かけるロスのこの不敵な表情よ。ロスにとってはアルバさんが勇者なんだね。王宮戦士ロスなんて人間本当はどこにもいなかったってバレてもなおアルバの戦士としての態度を貫いていくんだね。
 アルバもロスのいわんとすることをちゃんと理解して、嬉しそうに口元を緩めた後大胆不敵なこの発言。初めて出会ったとき「ボクは勇者に選ばれたんだ オマエの相手してるヒマないんだよ」って言ったときと、言ってることは同じでも込められた意味合いと重さが全然違う。アルバは勇者になったんだよ。ロスのためだけに勇者になったんだよォ~~……。誰よりもロスに認めてほしかったよなぁ。
 ここな~~ロスの方は体感的に数時間ぶりだからそこまでの切実さはないし、ロスを探すためだけにアルバがむちゃくちゃ頑張ってたってこともこの段階では誰も言ってないから、アルバが勇者になったっていう事の重大さをロスがまだよくわかってないのもみそなんだよな。背が伸びたな~って久しぶりに孫に会ったおじいちゃんみたいなことしか思ってない。
 クレアシオンのとき何年も旅してたロスは、目的が達成される保証もあてもなく旅をするつらさを誰よりも知ってるから、アルバの歩みの厳しさがどれだけのことかわかってるはずで、旅路の果てに己にたどりついてくれたことが本来どれほど嬉しく奇跡的なことか、後になってじわじわわかってくんだよな……。え?はい、全部想像です……すみません知ったような口きいて……。だって言わねーんだもんロスが。しゃーないやんけ。
 でせっかく再会したのにロスがじゃあオレまた魔王封印しにいくんで、みたいな軽いノリでさっさといこうとするのを(漫画版ではせつなげな笑み浮かべおってからにホンマコイツ…)(決意がにぶらないうちにね…)、アルバがきょとんとした顔で引き止めるじゃん゛ん゛(思い出し嗚咽)

「なんで一人で行こうとしてるんだよ」
「頼れよ」
「もう前みたいにオドオドしてるだけのボクじゃない…」
「ボクは勇者アルバだぜ?」

 恋 に 落 ち る 音 が し た いやもうもうもうもう(牛?)、メルトするわこんなもん……溶けてしまいそうっていうか一瞬でバターになるわ。いやもうこれどっ…どうす…え?ロスもバターになってない?成仏しなかった?今。大丈夫かな?
 こいつらがホモとか言いたいわけじゃなくて堕ちるでしょこんなことされたら圧倒的精神的屈服を果たすでしょ、私の精神は自然と膝を折りましたけど?自分がいなきゃ何もできなかったはずのショタ(だからショタじゃない)がこんなド攻めみたいなセリフぶつけてきて堕ちない人間がいるだろうか?いやいない。反語も飛び出すよ。1000年前は誰にも頼れなかったんだよ。誰もクレアシオンを助けてくれなかったんだよ。2代目とか例外がいたとはいえさぁ。こんなもん伸ばされた手に縋らずにいられるか?救いを求めずにいられるか?神仏の類と見間違うだろ。いや違うね、神様じゃないんだよね。勇者さんなんだよね……。
 とはいえギャグマンガなのでそこのロスの心情には触れず(ほんとこの漫画の心情描写の匙加減には頭狂わされるわ)無事に3人揃ったぜ!ってそばからギャグに戻って勇者さんがいつもの感じで牢に入れられてまた離れ離れになるんだけど、そんとき「すごく一生懸命お願いして牢から出してもらおう」と提案するルキとロスの返し「おまえバカか」「ひどい!そんなストレートな罵声あびると思ってなかった。ロスさんってもう少し私に優しくなかった?」「愛だよ、愛」のやりとり、冷静に考えたらヤバ谷園ではなくて?ロスが素直に罵ったりすることを「愛」と認識してるってことは勇者さんへの普段の流れるようなサド発言の原動力って……いや~~~やめよう!ロスは結構誰にでも口は悪いから!幼女のルキをも対等な相手とみなしたっていうアレでしょ!考えすぎ考えすぎ!だってあれが愛ならなんぼなんでもハート飛ばし過ぎだから。いいね魔だから。撲殺戦士ロスロちゃんになっちゃうから。ヤメヤメ!解散!
 で色々あって魔王を殺さずにクレアの魂を救済できそうな手段を見つけたのでいよいよラスボス戦に突入。ちなみにロスはここまでの色々で魔力を失ってるので魔法も使えないし大幅ステータスダウンでただの人になってしまっている。ので岩陰に隠れている。
 1年前苦戦した12人の魔族を圧倒するアルバにふつうにびっくりしてるロス……。このへんでようやく1年という時間の重みを感じるよねえ。まっすぐな性格のアルバが不意打ちしたり砂煙で煙幕はったり搦め手を駆使した戦法使ってるのもこの1年で色々あったのね感があるわな……。「勇者さんが思った以上にすごい」って思わず素直に言っちゃうロス。かわいい。本人の前では言わなそうなのに。
 互角以上の戦いをするものの、魔王の攻撃で体がなくなっていくアルバ……を見たロスの反応は漫画版で相当加筆されてて、戦力外だから隠れてたロスがダッシュで飛び出してアルバに向かっていく。1年前と違って何かあったら今度こそ助けられないのをわかってるから勝算なくてもいかずにいられないロスと、勝算ないことがわかってるから「戻れ」って叫んでるアルバ……あのアルバが、戦士おまえも戦えよ!っていつも怒ってたアルバが、自分燃えてんのに助けに駆けつけようとしてるロスに戻れって言っている。。も~すっかり守る守られるが逆転してしまっている……。
 流れ的に、アルバが消えたあとに魔王に殴りかかるシーンが描かれてたWEB版に比べて、必死に加勢しようとしたのに、たどり着く前にディツェンバーに地面に抑えつけられちゃって何もできないままアルバが燃え尽きるところを見せつけられてる漫画版はより悲惨……やめろ~これ以上ロスの目の前で友達を殺すな~~。勇者さんおまえこれで2回目やぞ!やめとけ!ロスの傷をえぐるな~!ところで作者がおまけで描いたVSクレアシオン編(心死んでる頃のクレアシオンがタイムトリップしてきて現代のアルバとロスと戦うっていう夢いっぱい漫画)でも似たようなシーンあるけどロスの目の前でアルバ殺しかけるのは作者の性癖なのかな……わかりみが深い~。わかり手~。
 アルバ消されたロスが我を忘れて殴りかかってるのが……うう……勝てない戦はしないタイプで~すって顔に書いてあるような男が……。憎悪を向けると魔王がパワーアップするってわかっててもそうせずにいられなかったのね……。大事な友人が殺されてショックか?って煽ってるところ見るにこれが2回目じゃなさそうっていうか、憎悪が魔力の供給源なんだしロスの感情揺さぶるためだけにクレアやアルバ以外にもロスの友達殺そうとしたり殺したりしたことあったんじゃないの……。じゃあもうロス友達つくれないじゃん。親しく思う存在がバレたらそうやって餌にされるわけでしょ。え?詰んでる……。クレアシオン時代ホンマに暗っ……!そらあんな死んだ目にもなるわ。
 死んだんじゃなくて次元の狭間に飛ばしただけだけどおまえにはどうしようもないよねって煽られてるときロスが全身でどうしようどうしようどうしようって言ってるのがわかってつらい。
 そこに満を持して魔王になったアルバが次元の狭間から帰還んんんん~~~~(卒倒)(敬礼)(十字を切る)厳密にいえば魔王になったわけじゃないけど魔王のマント羽織ってるし!オッドアイになってるし!ちょっと大人びた感じだしたうえに黒×赤がメインカラーになって見た目は完全に敵と化しているが!クレアシオンと魔王の魔力をあわせたチートステータスをひっさげて帰ってキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
 この時点で本当の世界最強になってしまった。この取り返しのつかなさもたまらん。これねえ……いや話がそれるから後で言うわ。アルバが戻ってきてロスの目に光が戻った……(いや直前のギャグパートでも戻ってたけど)。1年前は力量差がありすぎて殺されたことにすら気づかなかったディツェンバー相手に、今回は魔力なしでふつうに勝つアルバ……うすうす思ってたけど君ちょっと気合い入れてレベリングしすぎたんじゃないかな?激アツだけどもし自分がプレイするRPGだったらだいぶおもんない展開だよこれ。中ボス瞬殺。
 でみんなで協力してついに魔王から魔王の魂をブチ抜いて倒すことについに成功……!したけど、今度はそれはロスの父親が死ぬことを意味するので……友達殺されても世界荒らされても父親への情を捨てきれなかったロスは誰からも見えないところにのぼって父親への想いを吐露しながらこっそり泣く。ロスが笑ってない!ってことではじめた2章だけど悲しみもさけてはとおれず結局泣かせてしまった。
 ありふれた日常でよかったのに、ただ一緒にいてくれればそれでよかったのに……ってロスが泣いてんのが……。えううう。魂の移し先を用意すれば一応死なせずにすむんだけど、悪役を生かしておくわけにはいかないって身内としてのけじめをつけるロス……「やさしい子」のロスには重たい決断だよなぁ。
 世界でたった一人ロスだけは魔王の死を悼み、その間は誰も寄せ付けずに慰めの言葉もかけさせてくれないんだよな。元伝説の勇者であり魔王の息子でありなにかと肩書過多な男よ。
 しめっぽいのもすぐ終わるのがロスらしさっちゃらしさで、すぐふつうのテンションに戻る。魔王から体取り戻したクレアはちょーかわいい。クレアすごく好きです。体は大人、心は子どもを地でいく人。5章でもっと活躍するって信じてる。
 ここでの会話を見る限り魔王だったころの記憶は引き継がれてないのね。クレアもいいやつだから非道を尽くした記憶残ってたら結構その後の人生エグそう。相変わらず感動の再会を意地でも見せてくれないロスは軽いノリで1000年ぶりにようやくクレアと再会する(クレア側もノリ軽いけど)。ついに宿願達成。よかったね……ロスよかったね……。冷静を装った(んだと思う)ロスが、隠すことなく心からの笑顔でクレアと笑いあっているのを見たアルバも(よかった。終わったんだ)と安堵する……。いい顔だよね。すべての願いが果たされてすべての祈りが届いた瞬間。ロスは笑えるようになったしルキの両親も無事戻ってきたし世界は平和になった。大団円。
 そしてロスは問う。

「どうします?勇者さん」
「オレはコイツに世界案内してやりたいので また旅に出るつもりですけど」

 WEB版だとここで台詞切れるんだよね。おいおいどうしますも何も誘ってんじゃんついてきてほしいの丸わかりじゃん相変わらずツンデレみたいな台詞吐きやがっていつも強引なくせにそういうところだけ相手に決断をゆだねるずるさというか自信のなさが……あのね~~相手は1年かけておまえを追ってきた男だぞ、また一緒に冒険したいにきまって……

「ボクは残るよ」

 え~~~~~~~~~???!!!!!(絶叫)の…残るの??!!!!!のこっ……残るの??!!!!!いかないの??!!!!やっとなんの心配もなく笑えるようになったのに!?それが見たかったのに??!!本当にロスが笑ってくれるだけでよかったの?他になにもいらないの?!心の中でゲボ吐く私。漫画版だと含みどころか「一緒に来ます?」って明確に誘ってるからゲボ倍プッシュ。後ろ姿だからどんな表情で誘ったのかわからないようになってるのもゲボい。ゲボいって何?
 こっちの気も知らずにアルバはおちゃらけた調子で「悪いけどこっから先勇者といえばボクだからね!クレアシオンの時代は終わりさ!」とふんぞり返ってみせる。そしてふいにロスを見つめて、すこしだけ笑いながら、

「勇者クレアシオンの旅は 終わり」

 ………………………………………………………………………………………………………………………。……………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………。へう゛う゛うぅ~~~~~!!!!!!!(号泣)(ダム決壊)(堤防破裂)カーッ!終わらせてくれましたわ!勇者アルバが、望まぬ旅を強いられていたクレアシオンの因縁を!しがらみを!残さず断ち切ってくれよりましたわ!カーッ!カーッ!だからここから先は誰も知らない未来、エンディングの向こうはロスの新しい旅路が始まるんだよと、そういうことですカ~~~ッ!!!

「じゃあ後は任せましたよ 勇者さん」
「あぁ 任せとけよ シオン」

 このロスの穏やかな顔よ。
 もう勇者クレアシオンも復讐者クレアシオンもいないんだね。ありのまま生きていいんだよってメッセ~~~ジなんだね……。え~~~もうこんなのディズニーじゃん。クレアシオンの呪いを解いて、本当のロス……シオンに戻してくれてるじゃん。実質美女と野獣じゃん。いや戦士と勇者なんだけど。今にもミュージカル始まるじゃん。歌おっか?
 勇者候補は75人いたけれどアルバだけがロスにとっては自分を助けてくれたたった一人の「勇者さん」なんだね、今までも、これからも……はぁ~~~マジか?いつからおまえは戦士から姫みてーな役どころに変わったんだ?はぁ~~~~クソデカため息でる~~。2章を紹介する作者のコメントが「勇者に憧れた少年と、日常を求めた勇者の話。2人が友達になった話。(公式)」だから、2人はここで本当に友達に、戦友になったんだね……。互いが互いの命の恩人でありかけがえのない相棒だった……。はあ……と、魂抜け落ちそうな余韻に浸る間もなく、すげえ爆弾投げてくるロスが続く。
 餞別に「勇者さんはスピードタイプだから長剣より短剣の方が向いてますよ(笑)」と今更なアドバイスをよこすロスに、今それ言うの?!と思うアルバ。がんばって重いの使ってるのが滑稽だったから、と笑いつつもこれぐらいのがいいと思いますよと投げ渡してきた短剣、それは……1章序盤でロスがボケでアルバの腰を刺したものと同じ……アルバがボク刺すために買ったの?!こんなもん!とブン投げた短剣そのもの……そしてあのときと同じセリフ。

「別にアンタのために買ったんじゃないんだからね」

 ピギェ~~~~~~!!!!!!(断末魔)私は二度死ぬ。
 暴力ボケの小道具だと思ってたらおまえ本当に……本当にアルバにあげるために買ってたのかよ……!こんぐらいの武器が向いてるよな~実際とか思いながら買ってたのかよ……。ツンデレの真似して遊んでるだけだと思ってたらよりヤバいツンデレだった。ここにきて回収してきた(関係ないけど漫画版の1章のこのツンデレぶるところのロスの描き方すごい好き。どっちも可愛いけど終盤だいぶ絵柄変わってるから見比べるとビックリする)。あんな序盤からずーっと大事にポッケに入れてたのかよ……。ラスボス戦終わったよ。1章でのアンタのために買ったんじゃないんだからね!のシーンはニコニコの公式アニメ無料視聴範囲内にあるからぜひ見てほしい。完全にふざけてると思うじゃんあんなの。
 そしてロスはクレアと旅立つ。1000年経ってて故郷の村もなくなってるから色々と案内するためなんだろうけど、知ってるかシーたん、世界は広いんだ。オレはいつか世界を見てみたいんだ、といつか語ったクレアの夢を叶えるためだよね。ロスもふつーの顔してるけど、自分たち親子のせいで1000年もクレアの時間を奪って体だけ大人にしてしまった負い目がメチャクチャあるよなあ。だから表にはあんまり出さないけどなるべくクレアの要望を叶えてあげたいとは思ってるんだろうな……。作者が描いてる、クレアが魔王の器にならないifルート漫画はギャグだけど切ない。
 漫画版のおまけで、クレアに「アルバくんついてこなくて残念だったね」って言われたロスが「ついてくると思ってなかったし」って言ったのが強がりじゃなさそうだし「オレは あの返事が聞きたかったのかもな」って返したの、私もクレアみたいに「?」ってなってまだ消化しきってないんだけど、ロスはアルバがそう答えることがわかってたのか~。なんでだろう。ロスだって現状で最優先すべきはクレアとはいえ、アルバと一緒にいたい気持ちもまだまだ引きずってたと思うけど。きっぱりとクレアシオンの亡霊を成仏させてほしかったってことかな。勇者さんが勇者であることを再確認したかったってことかな。いや……ココはまだ自分の中で納得のいく飲み込み方ができていないので、スルメのようにモグつくことにします……。
 かくして戦士と勇者のお話はハッピーエンドで終わる……んだけど、2章最終話でまさかの主人公封印で3章に続く!
 この終わり方雷にうたれるようだったわ。すべてを解決するためにステータスを高めすぎて、最強の勇者となったあまりに、今度はその強すぎる力をおそれられて(というか世界に影響が出るから)結局魔王と同じような扱いをされるっていう。ラスボス戦で「おまえだけじゃなく星ごと消しちゃいそうだよ」とか言ってたもんな。イキリじゃなくて事実なんだろう。オレの魔法はなんでもありなんだと豪語してたロスのステータスより魔力が何倍も高くなってるし。
 そんなふうに使うつもりがなくても世界滅亡を可能にする力を持ってしまったから、持ってるってだけでそりゃ怯えられるわな。友達ひとり救うために得たにしてはあまりにもデカすぎる力と代償。人間よりほぼ魔族に近くなってしまったステータス。世界を救った勇者なのに、労われるどころか自由を奪われるっつー。これロスが知ったらどう思うのって、いう……話をしたいんですけどいったんここで区切ってそれは3章の感想で言います。
 また3・4章の感想で触れますけど、やってることがアルティメットまどかなんだよね。ロスは自分の事情に巻き込まれずに(巻き込んだけど)アルバに生きていってほしいと選択したのに、結局そのせいでアルバは人間をやめて神様(みたいなもの)になっちゃう(4章~5章)。友達一人助けたくて必死に駆け抜けただけだったはずが、いつの間にかロスだけの勇者ですらなくなって、得た魔力を使って時間移動も並行世界への介入もやって把握できる世界線すべてを救おうとするようになり、もはやそこまでいったら傲慢といっても差し支えないというか、神の真似事じゃん……っていう、勇者さんの底知れない不気味さみたいなものとそんなふうになってほしかったわけじゃないっていうロスの絶望についても話したくて、うわ感想がなげェ!気持ち悪ぅ!




勇者さんと戦士と日焼けタンクトップへの気持ちが爆発した感想の続きです。WEB3章・4章とF5のネタバレあり。

 3章は主人公がソルとレイクに交代するけど性懲りもなく勇者さんと戦士の話をします。でも3章の勇者学校の皆も可愛くて好き。ソルとレイクの関係もかなりいとおしいよね……。天才バカと彼に憧れるまじめバカ。ニコイチ勇者。成長した前主人公アルバもちゃんと脇で活躍してるの好き。弱体化するわけでもなく、活躍の場を食い合うこともなく共存できててすごいと思う。

 2章ラストでロスと別れ封印されたアルバ……は字面だけ見ると微妙にバッドエンドといえなくもなかったけど、3章で何してんのかというと、力をコントロールできるように牢の中で勉強中。あぁそんな感じでいいんだ?!よかったよかった。クレアシオンのときの封印とは深刻度が全然違った。
 誰が教えているかというと、ロスが月イチで家庭教師に来ているとのこと。のっけからハァ?マジで?と思うような展開。え、通ってんの?勇者さんのために旅先で課題つくってんの?あぁそう……。ロスいわく魔法は結構体系的で理論的なものらしい。なんでもありの魔法といいつつ理屈を超越するにはまず理屈を理解する必要があるってことで、受験勉強みたいなことをしてて笑った。その山と積まれた教材にいっぱい貼ってある付箋はどっちが貼ったの?どっちが貼ったんでも必死な感じで可愛いけども。ロスの3章新衣装はジャージなんですが裸ジャージってマジ?

 作中では語られないけれど(罪深い)、ロスはアルバが封印されてるって知ったときどんな反応だったんだろうな~。怒ったのかな。冒険楽しいよ!って笑ってた勇者さんに救われたのに、今や日の当たらない牢に(ある意味いつものことだけど)ブチこまれてんでしょ。夜明けの名を持つ男~……。真っ当な理由とは言えアルバが悪いわけではないのに。いつ出られるかもわからない状態だし、わりとすぐ不平不満言ってたアルバもそのことについてはロスには文句言わないんだろうしなあ。
 オレなんかにかかわらなきゃ、追いかけたりしなきゃあそんなことにならなかったのに、違うなオレが最初から巻き込まなきゃこの人は普通の人間として普通に幸せに暮らしていられたはずなのになぁ、オレがこの人の人生を棒に振らせてしまったんじゃないかって責任を感じずにいられないロスのことを思うと震えるわ。アルバはラスボス戦で覚悟する間もなく人間引退してるのも余計にクる。仮にルキママに会ったとき選択の猶予があったとしても同じ道を選んだんだろうけど。アルバは今の結果に後悔のこの字もないような気がするけどロス側はそうはいかなそう。封印されたロスをアルバが追いかけた2章と完全に立場も力関係も逆転しちゃってっからなぁ。
 一年もかけて必死で追いかけて救ってくれたことはスーパー感謝だけどこういう着地点を望んだわけじゃないからな~。そもそもロスは勇者さんが自分を救ってくれることを期待してたわけじゃなくて、精神面で最初から救われてただけだもんな……。からの、予想外に根本的解決に至ったって話で。
 旅の同行を断った時点でこうなることがお互いわかっていたかは謎だけど、勇者さんの自由が奪われることをロスが望んでいたはずはないと思うので、封印の件は旅に出たあとに知った説に一票入れたいところだな。ロスは(作中では)早くそこから出ろとも言ってないけどあのドッサリ積んである課題が物言わぬメッセージな気がして、ううう。はよう魔力制御覚えてこっから出ろやという圧ですかね……それとも単にSっけの現れですかね。
 面会可能だし終わりの見える封印だとしてもロスの立場だと胃が痛いよなぁ。日の当たるところで駆け回ってるのがお似合いだった田舎少年が自分を助けたせいで魔界の牢に収監されてるあげく自分のことを責めてもくれないってのはなぁ~。「もう嫌だーここから出たい」って一言アルバが言いさえすればロスはなんもかんも捨てて全部ぶち壊してくれそうな気もするけど勇者さんはそんなこと言わないってわかってるもんなぁ……。スライムにぶん殴られてた時はすぐ助け求めてたのに。曲がりなりにも、成り行きだとしてもクレアシオンとロスが人生かけて守った世界をアルバが壊すわけないからなぁ。だからロスもそれを壊すわけにいかないってことで、はい詰み。おとなしく勉強しようね。

 そういう状況なわりにアルバに悲壮感はなくて、見学に来た勇者学校生徒にイキって大失敗したり(エルフのせいだけど)平常運転だからこっちが勝手に暗くなってるだけで本編はしばらく絶好調にギャグなんだよね。ロスもクレアと仲良く二人旅(関係ないけど3章序盤の戦闘のところのクレアかっこよすぎでは?人柄が出てていっぱいちゅき)してて微笑ましい~……と思いながらも話は進んで、勇者学校の生徒レイクが実は初代魔王ルキメデスの長男であることが発覚し、魔王の後継の器として連れ去られてしまう。
 要はレイクは小学生ぐらいの年頃?だけど過去から現代へタイムスリップしたせいで生き別れていたロスの実兄という衝撃のキャラで、年下ショタお兄ちゃんというWOW WOW WOW夢いっぱいの属性を持つキャラクター。意味は違うけど一人でおにショタ。ロス(成人男性)相手にお兄ちゃんぶるレイク(学生)、至宝オブ至宝。私は新たな扉を蹴破ってしまった。オ!やってんねぇ~!(のれんをくぐりながら)
 二人きりの家族だった魔王を倒して天涯孤独になっていたはずのロスに、母と兄が生存していたという驚愕の事実、、ロスは自分には最初からなかったと思っていたものが急に現れてビックリしまくってるけど、戸惑いながらも相当うれしかったんではなかろうか。漫画版ではお母さんのお墓の前で日記を朗読してたような子だぞ……。お母さんに会いたくなかったわけないんだよなぁ。
 兄っつったって出会ったばっかで魔王になったレイクを倒すんじゃなくて救いたい!って言ったり、ルキメデスの魂が妻と長男の生存を知ることができたのか気にしたり、家族想いな描写にニヤニヤしていいのか泣いていいのか。ロスがレイクに年上らしく注意したり、レイクがロスに兄貴らしく注意したりするの見てると、きょ、兄弟~~ってなる。
 時系列的にはもうちょい後半の話だけど正気になったルキメデスの魂が最期までロスの話はしないのせつねえ……。レイクのことは息子自慢したのに。文脈的にロスのことも含んでるって感じじゃなかったしなぁあのシーン。家族想いのルキメデスがレイクとシシリーを失ってしまったのが狂ったきっかけだったのに、ずっとそばにいてくれた次男坊のロスのことはどうしてあんな簡単に切り捨てられたのか……。ロス見てるといなくなった家族を思い出してつらくなるって方にシフトしてしまったのか。わからん……。ひどいことをしたから語る資格もないと思ったのかな。そんなんでも親子の情をいつまでも大事にしているロスが悲しい。こんな情の深い男がアルバの状況をよく思ってるはずがないってやっぱり確信してしまうな……。
 新しいツクールくん製作のとき白衣とメガネ装備したロス、父親の面影がすごいもんなぁ。そんな格好したら親父のこと思い出すだけだろうに……。それはそれとしてスゲー似合う。アツい理系男子アピール。自分から白衣とメガネという付加価値のせていくのか(驚愕)。

 3章ではなんてったって1章から暗躍していたエルフがついにラスボス的なポジションで活躍するの嬉しい。エルフ好きだから。無邪気褐色関西弁元気バカ鬼つよチートマンのアルバさん厨、可愛い。なんでやけにアルバのこと気に入ってるうえに「さん」付けしてんだ?っていうのは4章で明らかになるんですけどそれを踏まえると今までのアルバへの言動すべてが可愛く思える。。機械都市タートルの郊外での初対面のとき内心すっごいワクテカしてたんやろなぁ。アルバに独り相撲のチャンピオン?って思われるぐらいいっぱい喋ってたのはもともとの性格もあるけどはしゃいでたのもあるよね。関係ないけど「こんにちは!ケンタウロスです!」は漫画版のテンポがすき。クソ笑った。
 ただの快楽主義者の強キャラ愉快犯みたいな立ち回りをしていたエルフがだんだんシリアスなツラをするようになってくる。3章22話でツクールくんつけてるロスを瞬殺するエルフの戦闘力の高さいいぞ~~。
 なすすべなく半殺しにされたロスによくない性癖がウズウズしてしまった。腹に穴を開けられがちなキャラが好きなのか、私が好きになりそうなキャラは腹に穴を開けがいがあると思われているのか?卵が先か鶏が先か。普段スカしてる強キャラドSの窮地と必死なツラ、みんなも好きでしょう?(曇りなき眼)騒ぎに気づいてかけつけたアルバに「なんて顔してんですか」って強がって笑って見せてるけどオメーだよオメーこそなんて顔してんだって話。その血をまず拭けと。アルバがきたのがわかったのにその状態ってことははいボク大怪我してま~すノシって感じの顔の血ごまかす余裕すらなかったわけでしょうよ。1章ロスが絶対アルバに見せない姿。
 なんだかんだはっきりとロスが負けるシーン見たことなかったアルバも大ショックでは?でここで次話にひっぱったかと思えば次はまったく別の場面に移って以後もうこのシーンについての言及ないのがホントも~~~先生そういうところですよ~~~~って感じ。オタクを踊らすな。私のダンスフロアは沸騰してるよ。アルバがロスになんて声をかけたのか、何をしたのか、どんなやりとりがあったのか、一切描かれないんスわ~~~。当時23話を心臓ねじ切れそうな思いで待ったオタクの心臓がねじ切れた音が時空を超えて聞こえるようだよ。わかる~。私もねじ切れたよ。
 で29話でエルフVSロスについての補足があって、ロスが脇腹ブチ抜かれたあとも戦闘は続いてたことがわかる。ロスには感謝してるからこれ以上傷つけたくないと言うエルフが笑顔で「不幸続きの人生やったんやからこれからはゆっくり幸せになり」と続けると、ロスが反論する。

「たしかにちょっとかわった人生おくってきてるが」
「そのお陰で得た物や 出会えたヤツがいるんだよ」
「勝手に人の人生表面だけ見て可哀想がってんじゃねーよ」

 は~~~~~~~~~~~~~~。
 ハ~~~~~~~ッ…………。あー、そぉ~~~~~……っですかぁ~~~~……。
 いや~ロスくんの人生はちょっとかわってるどころの騒ぎじゃないしエルフじゃなくたって100人が100人同情するような人生なんですけど、クレアシオン時代はなんでオレがこんな目にって怒ったり生まれてきたこと後悔したり生きてるのが嫌になることも当然あったでしょうよ~って感じの荒んだ道のりのはずなんですけど、それでも出会えたヤツ(勇者さん)(だけじゃないけど)が帳消しにしてくれとるんですわァ~……(ネットリ)。え~どんな等価交換?1000年の孤独と引き換えるに値するものとは?そんなものあるわけなくない?でもロスはその価値を勇者さんに見出してるんだよ……。オレの人生は不幸じゃなかったって全肯定できるほどの……重くないか?友達冥利に尽きるって言うにはちょっと……いや……いや、うん……。見下されるのが嫌いなロスだから敵に同情されてキレてんだろうなとも思うけど、マジでおまえにとって勇者さんってなんなんだよ。私は好きなキャラに重たい感情抱かせがちなタイプのキモ・オタだけどオメーは私の想定より5000000トンぐらい重たいなぁいっつも!?
 私たちを代弁するかのようにエルフが笑顔ともなんともつかない表情で「そうか」って返して場面は暗転するけど、この会話の後のアルバ合流までの間でロスが血まみれになるまでボコったわけじゃん。「傷つけたくない」って言いながら追い打ちかけたのなんやねんというと、ロスが抵抗してきたからやり返したってのはもちろんそうなんだろうけど単純に「腹が立った」んじゃないか?と思った。
 その話すると4章に触れないといけないんだけど4章は主にエルフの正体と裏で何をしていたのかという種明かしパートで、そこでエルフが実は魔族じゃなくて別の世界線からきた未来人であり、世界の滅亡が確定した未来を変えるために時間遡行してなんやかんやで2000年を超える時を生きてきて今に至るというバックボーンが明らかになる。1章からここまでの世界はエルフの時間遡行によって分岐した時間軸であり、魔王誕生に一枚かんだりしていたエルフの不可解な行動は彼の世界(分岐前)を救うためだった……という話。エルフがいた世界線ではアルバは初代大魔導士であり、当代大魔導士のエルフにとってはひたすらに尊敬の対象だからこっちの勇者アルバにも特別目をかけていたってわけ。ドヒャ~。
 その活動の中で、共犯であり親友のアルフを失って、アルフが魔法で記憶奪ったせいで一人になったことに気づかずに活動を続けてて、記憶取り戻して絶望してアルフを探すけど命がけでも捜索はままならなくて、そのうち目的が逆転してしまって世界が滅んでもいいからアルフを救おうという思考にまで至ったのにそれでも助けられなくて、結局は当初の予定通り未来を救うためにモヤモヤと暗躍し続けている。という、重たい使命と寂しさを背負っていたことがわかる。2000年って。どいつもこいつも軽いノリでものすごい単位使いおってからに。
 分岐前の世界でもロスは父親と袂を分かってクレアシオンになって父殺しをしているから、エルフでいうところの「不幸で可哀想な人生」をおくっているし、分岐後の世界ですらも親殺しになってしまった(しそこまでの過程は分岐前より苛烈)ロスのことをエルフは「自分より可哀想」と思っていたんだろうなあ。というか境遇的には若干同一視してたかもね。友達も助けたい、世界も放置できない、けどどうしようもない。
 なのにロスはエルフの憧れであるところのアルバに助けてもらえて、自分を人生ごと不幸じゃないときっぱり断言しちゃったから、エルフはアレ?もしかして可哀想なのはオレの方ちゃうか?と気づいちゃったのかな。境遇が少し似てるエルフだからこそ理解できる感情もあっただろうに、ロスには全然違います一緒にすんなバーカってはねのけられてるようなもんだし。可哀想だなって下に見てる相手にいきなし噛みつかれるとムカついて反射でぶっ潰したくなるのは仕方ない。4章読んだ後だとここでロスが半殺しにされてんのも八つ当たりが混じってるんじゃないかな~って思ったわけです。

 で29話ではもうすっかりピンピンしてるロスが、エルフに勝つためにアルバを鍛える少年漫画お得意の修行回が始まる。クレアシオン時代のステータスに戻ったロスが「家庭教師最後の授業始めますよ、勇者さん」って言うんだけどここの不敵な感じの表情たまんね~。ていうか+読んでる限り家庭教師始めたころは小学生の算数レベルの学力だった勇者さんにもう家庭教師終わりでいいって思えるぐらいの段階まできてんの?事態が性急とはいえロスを認めさせる勇者さんすごくね?大魔導士(ノーベル賞いっぱいとるレベルの科学者的な意味合いに近い)やってる世界線があるぐらいだしアルバはやればできるのか?と思いきや次のコマでロス相手に「ここここここいよーーー!!!!」って涙目でブルってる勇者さんよ。こっちの評価のグラフに緩急をつけるな~!くそかわ。1章で殴られ続けてたから今でもロスへの恐怖がすりこまれとる。
 +の家庭教師回でも修行のためとはいえロスに殴りかかるの躊躇してたもんな(怖くて)。あの家庭教師回ではアルバが「ボクがロスを攻撃して怪我したりしないか?」って無自覚に煽ってロスの神経逆撫でて大変うれしかった。あのよわよわ勇者が今や元伝説の勇者をそんな扱い。でもその言葉どおり全盛期ロスとも渡り合えるようになってるから勇者さんに惚れざるをえないんだな。このシーンはギャグだからバトルシーンカットだったけど全盛期ロスと魔王状態のアルバのガチバトル見たかったな~。ダブルノックアウトは芝居だとしてもガチでやりあっても実際いい勝負だったんかな。あっさり想像に任せられた。読者への信頼がすごい。同人漫画のVSクレアシオンの最後ではロスが「クレアシオンの方が戦闘では強いに決まってるが、(真の意味で)強いのは勇者さんだよ」って言ってたし、あのデレのすさまじさには私が消し飛んで終わった。
 36話でエルフのところにアルバとカチこんで「勇者さんはおまえより強い」と言い放つロス、ポケモントレーナーかな?1章から手塩にかけて育てたうちのこ自慢かな?あと4章読んだ後だと新しいツクールくんの理屈聞いて満面の笑顔になったエルフの意味がわかってエルフ……(;_;)ってなる。エルフではやれなかったことをアルバとロスがやってて、じゃあおそらく目的は果たされるわと嬉しいようなさすがアルバさんやと誇らしいようなじゃあオレはなんやったんやシオンくんおまえがやり遂げたんかと複雑なような気持ちなんだろうなぁ。だってそれを最初からエルフが作れてたらこんなことしなくたってよかったかもしれなかったんだもん、自分の2000年を否定されたような気になる……なるくない?
 37話でロスがピーチ姫扱いになったときはたまげた。1章の唯我独尊ぶりでは人質になるような展開は想像もできなかったね。1章のロスはどこまでも「強い大人」「頼れる大人」だったもんな。中学生から見た大学生って感じというか。ロス連れ去られてブチキレて両目真っ赤になってる勇者さんの顔は勇者の顔じゃないワァって感じでゾクゾクする~。温厚なアルバのここまでのマジギレ顔ってここが初めてか?
 両目赤になったのは魔力上昇の証拠なんかな?正直4章まで読んでなおツクールくんの理屈ちゃんと理解できてないんだけど(…)勇者さんの中に取り込まれたツクールくんって旧作だから魔力供給源って魔の感情のままだよね?ロスも「勇者さんを怒らせても魔力が上がるだけだぞ」って言ってるし、怒りや憎悪で魔力増える勇者さんの目が真っ赤になるってロス連れていかれたことにどんだけキレてんの……。勇者と戦士のコンビは互いが互いのアキレス腱すぎる。今となってはロスが消えてもロスが勝てなかった相手と対峙してても泣いて困るだけじゃなくて追跡してとっちめるだけの力があるもんな。勇者さん成長したなあ。ドSのくせに逆に緊縛されて床につっころがされてる側になっちゃって悔しそうな顔をする子が好きな人(ex.私)は戦勇3章を読もうね。
 そんでエルフとの最終決戦で、殺す気がないことがエルフにバレたときにアルバが言う「そうだな世界救いたいな。でもボクはおまえだって救いたいんだよ」がかっこよすぎてふええ……ってなった。光属性が過ぎるだろ。逆光でなんもみえんわ。アルバさんは強欲なんだよね~。二兎を追うって意味ではわがままにすら近い。1章でも気持ち的にはロスを優先したとはいえ世界とロスを天秤にかけるんじゃなくてどっちも救ったし、世界平和のためにエルフを殺す!っていう選択肢の出ない人。かつてロスに言われたような子どもの駄々じゃなく、今や誰よりも強くなって、殺さない手加減もできるようになったからこそできる強者のわがまま。そのやり方の危うさをエルフに指摘されても堂々と「それがボクの勇者としての戦いだ」って宣言する雄みがすごい。心がトリュウくんになるんじゃ~。
 エルフはそんなアルバがこの世界でも自分の憧れにたる人物だと再確認して、アルバに自分の目的を語ることなく、悪役のまま自分の命ごと魔力すべてを託して死んでしまい……っていうのが3章のオチだけど4章はこの続きがあって、エルフが死ぬ前にアルフが駆けつけてくる。それは未来からきたアルバの手引きによるもので、死ぬ間際のエルフのところに勇者御一行がぞろぞろと見参。この未来アルバが出てくるシーンは鳥肌立っちゃった。「言っただろ ボクはおまえだって救いたいんだ」エルフからしたら感情大爆発するでしょ、もともと人生に影響与えるレベルに大ファンやってるお方が直接助けに来てくれたんやぞ。いよいよ神格化してしまうわ。
 同行してきた未来ロスいわく、エルフの最期に疑問を持ったアルバは研究を始め、世界軸が複数あること、エルフの正体、アルフの存在を知り、エルフの目的をつきとめてこの時間に飛んできたという。アルバ、ついにゲートどころか時間移動もへいちゃらに使いこなしている……しかもスーツなしでもアバラに響かないようにゲート魔法も改良してるっぽい。エルフはアルバを自分の世界の大魔導士アルバと見間違えてるけどこれ実質大魔導士だろ。ポップを思い出すわ。
 エルフはアルフが助かったこと、アルバが助けてくれたこと、おそらくこれで世界もきちんと救われることに手放しで大喜び。いやほんとエルフ報われてよかった……。大喜びのあとの、しみじみと穏やかにはかれた「よかった……」がしみる。2000年分の安堵のため息だよ。そしてアルバがエルフを研究に誘う。どうも、アルバにも世界線移動の魔法はまだ確立できていないらしい。分岐してしまったエルフたちの世界まで巻き戻って助けるためには当代大魔導士のエルフの力を貸してほしいということで、さっそくスペシャル敬愛恩人に目的を与えてもらったエルフはいいお返事をして、アルフとともに再び自分の世界の再生を目指す………というところで4章は終わり。ハッピーちゃんちゃん。

 ということで大団円大好きな私にはよかったよかったなんだけど、4章後を描いた+とF5(5章)から察するに、別世界軸の観測と世界線移動ができるようになったアルバはついに別の世界でも勇者するようになったという。能天気なレイクにも「それはさすがにひく」と言わしめているけど、いやほんと、それはさすがにひく……!
 つまりエルフのおかげで自分の世界以外の存在を知った勇者さんは、手の届くあらゆる世界の平和と幸福のために奔走するようになったわけ。勇者癖ここに極まれり。もうね、それはね、神様のやることですよ。ちょっといきすぎ。知ったからにはほっておけない性分なんだろうけど。ほっておくとエルフの世界のように滅びの未来がある世界軸が存在するとはいえ……。別世界の観測してるシーンのアルバぞっとする。だってさすがに手に余るでしょ。人外の力を手に入れて人間引退したようなものだっていっても、やってること神様じゃんって言ったところで、勇者さんは結局はひとりの人間だからさあ。本当ならそんなことできっこないじゃん。あれにもこれにも介入してたらきりがないじゃん。でもやっちゃうんだよね。それがアルバの信じる勇者の道だからね。
 そんでこの事態に誰よりぞっとしてんのがロスなんじゃねーの?って思ってしまう。ロスは勇者さんが勇者さんだから救われた第一の人間で、その性質を心から愛しているだろうけど、ここまでになるとは想像してなかったんじゃないかな。
 たとえば4章でのエルフ救出前の研究のことだって、ロスのセリフでギャグとして流されてるけど、世界軸が複数云々って一朝一夕で解明できることじゃないでしょ。たぶんロスも別世界の存在は知らなかったんだから。それに大魔導士のエルフですら命をかけても時間の渦に取り残されてるアルフを助けられなかったのに。飛び込んだら体がボロボロになる海の中に釘一本探しにいくようなものっつってたじゃん。ロスを助けようとしたレッドフォックス時代のように、それなりに必死にならないとできなかったんじゃないか?
 ロスがあれだけ事情に詳しかったのはアルバのそばで一部始終見てたからなんだろうけど、曲がりなりにも相棒として一緒にいた自分を助けることと、敵として立ちふさがった何がしたいかよくわからない相手を助けることの熱量が近いなんて思わないでしょ。勇者さんが命はって助けてくれたことはロスの中で大事な思い出としてスペース占めてると思うけど、同じことをエルフにもするっていうのは結構衝撃的だったんじゃないかなあ。勇者さんは相手が「戦士ロス」だから助けてくれたんじゃなくて、本当は誰のためでもそうだったんじゃないかって疑念がわくよね。さすがに1章の段階ではそこまで極まってないから無論アルバはロスのために強くなったわけだけど、素直じゃないし確かめようのないロスにとっては痛い問答だよね。アルバが世界より自分を優先して、自分のために頑張ってくれたことに対するほのかな優越感が消滅しちゃうよ。
 アルバにとってロスが特別な存在なのは言わずもがなだけど、ロスほど特別な相手のためでなくてもそうやって命はる、はれちゃう勇者さんの生き方は危ういし、ロスがそれに積極的に協力できたとは思えないよなあ……。なんであなたがアイツのためにそこまでする必要があるんです?って思いそう。だし、言いそう。ロスも勇者やってたけど、いわゆる勇者癖みたいなものはアルバほどはないと思う。そんな、自分の関係ない世界のことまで助けたいっていう欲はない。欲…欲という言い方でいいのかわからないけど。なんてったって幼いころは現状維持が信条だったんだからさあ。自分の小さな幸せが大事に守られていれば他に何もいらない人だから。1000年前の家族と親友は幼いロスには守り切れなかったけど、勇者さんとルキのことを守ろうとして頑張ってたのに、気づいたら勇者さんは自分の腕の中から出ていってしまっていた。そして勇者さんに助けられる側になっていた。
 でもロスはアルバと離れていたときの感覚がないから、エルフを助けるために頑張るアルバを見て、オレのときもこんな感じだったのかな……と思っちゃうとなんも言えねえよな。やっぱり、なんだかんだでロス探してた頃の方が能力のなさもあって今よりもっと必死だったに違いないし。アルバのそういうところに全部救われたのはほかならぬロスだし。3章~4章のロスって失った家族までもたらされて、急速に外堀を満たされて幸せ過ぎてわけわかんない期到来してそう。そんで元をたどればすべて勇者さんのおかげで、お互い返しきれない恩義がありすぎる~……。だから勇者さんが勇者さんであることで自分のように救われる人間がいっぱいいるんだろうなとわかってはいても、そんなのどっかで絶対無理がくるから本当は止めたいって思ってたら、ううっせつね~~~。勇者さんを勇者にしたのも自分で、救われたのも自分だけど、それに負い目を感じるなんて勝手な話か?「自分で勝手に勇者になってくださいよ。大丈夫、できますって。がんばれよ。アルバ」は二度と会えないと思ってたから出た台詞だったのにそれかなえちゃってるからな。。なれとは言ったけど、ここまでやれとは言ってねえよって感じ。
 ロスが家族や友人と過ごす平穏な日常を取り戻した一方で、アルバは本物の勇者になった。まるでごっこ遊びのような、戦士ロスと魔王ルキにとってのささやかな勇者さんだったのに、皆に頼られる全世界の勇者になっちゃったんだもん。マイナーバンドが一躍メジャーのスターダムにのしあがるのと似た寂しさがあるでしょ(一緒にすな)。良さはオレだけがわかってればよかったのに的な。でも神様にしてしまったのはどこまでたどっても自分が起点で、もうとりかえしがつかない。
 F5で、アルバにオレの力が必要でしょう頼ってくださいオレを雇ってもいいですよってアピールしまくるロスはまあツンデレ滑稽なんだけど泣ける。1章のアルバならロスが言わなくても最初に声かけてるはずなのに、F5のアルバはロスがいなくてもやっていけるってやんわり伝える。頼れよ、ボクは勇者アルバだぜって言ったくせにロスのことは頼ってくれなくなってしまってる。これはもちろん勇者クレアシオンでも戦士ロスでもなくただのシオンとして過ごしてほしいっていうアルバの気遣いなんだけどロス調子狂いまくってて不憫。「子どもはいつまでも子どもではないんだな~って思って」ってルキにぼやくロス……。1章の頃みたいにスライム相手にすら「助けろよ!」って逆ギレしてきてた勇者さんはもういないんだよなあ。今の勇者さんにはとてもじゃないけど「お兄さんに任せときな」なんて言えないね。親離れされてぼんやりショック受けるロス……。やっぱりアルバが成長する1年間の過程をロスだけがすっ飛ばしてるのが心の距離がある要因だよね。F5ロスは平和ボケしてていいことなんだけど気が抜けすぎでちょっと心配になる。
 F5のボスはいわゆるアルバのオルタ体(別世界の悪アルバ)なので勇者アルバVS悪アルバの構図になるんだよね。理想論とわかっていてもすべての人の幸せのために戦う勇者とその真逆の思想をもつボスの話にロスやルキがどうからんでくるのか楽しみだ。アルバの勇者の在り方に対してボスやロスがどう折り合いをつけるのか、どう着地するのか……。